代ゼミタワーは盛者必衰の理をあらわす?

バベルの塔-ブリューゲルどうもどうも、まったくもってクソ暑い日が続いておりますが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

私は仕事で忙しいならまだしも、むしろプライベートで阿鼻叫喚の日々を送っておりました。
夏休みに入るや否や我が家にやってきた甥と姪に家中をかき回され、そこに四六時中しゃべりまくり妄想しまくりの娘と四六時中泣きまくりの生後11ヶ月息子による奇声と悲鳴の合唱を聞かされ続け、お盆が終わるまでは、まさしくどこにいようと全く心休まらない日々が続いておったのです。
子どものパワーはマジやばいッス。

 

そんななか、一服の清涼剤。
昨年の中学受験生で駒場東邦中を受験し見事合格したI君からちょっとした報告が。
何と、一学期の国語学期テストで、見事、学年トップの成績をおさめたとのこと。
これはなかなかたいしたものです。
特に駒東の国語は中に入ってからも結構難しい。中1とはいえ、これをあっさりやってのけるとは、お見事というほかありません。
今後もその国語力を生かして、いろいろと知見を広めていってもらいたいと思います。

 

さて、こっから今日の本題。
今回もまたちょっとした文学ネタでも取り上げようかと思っておったんですが、そこに今朝、こんなニュースがとびこんできたので急遽さしかえ。

「代ゼミ、校舎の7割閉鎖へ 400人規模で希望退職募る」
http://www.asahi.com/articles/ASG8R3R7KG8RUTIL004.html?ref=yahoo

「代ゼミ、センター試験の自己採点集計も中止へ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140824-00050008-yom-soci

 いやー、昨日、ちょうど事務所で松永先生と森川先生とで、最近の予備校業界について話しておったので、非常にタイムリーなニュースでした。

やっぱり、ね。教室に100人も200人も詰め込んで授業やれてた時代ならいざ知らず、これだけ少子化の問題が叫ばれるようになった昨今、多人数の生徒を集めなければ成り立たないシステムだと、こうなりますよね。
まあ、これはかつての大規模予備校のみならず、学問レベルを落としまくっているマンモス大学等にも言えることです。

しかも一人っ子が多い最近のご家庭。たったひとりの自分の子ですから、できればなるべく「オリジナル」の「人と違った」学習環境を整えてやりたいと思うのが親心。
生徒を十把一絡げに扱う授業になんか、魅力を感じるわけがありません。
どうせそうなんだったら、有名講師によるビデオ授業やネット配信授業で充分。もっとも、そんなビデオ授業を対面授業と同じくらいの料金にすることで、しっかり儲かる商売にしちゃう東進はやっぱりなかなか悪ど・・ゴホンゴホン。

まあ、決して勉強ができる子ばかりを教えているわけでない私の感覚からいっても、こうしたシステムで成績が伸びる子どもは、参考書なんかを自分でちゃんと読みこなし質問にも臆せずいける、勉強する体勢がそもそも整っている子だけなんですよね。

ところが逆にこんな記事もあります。

 帝国データバンクは、『「学習塾・通信教育・家庭教師派遣」は提携やM&Aなど業界再編が進むほか、大手によるデジタルコンテンツや幼児からの総 合教育などのサービス拡充で需要拡大が見込まれ、前年度の「曇り」から改善』している、と指摘しています。少子化による影響はあるものの、教育業界全体で 見ると、90年代後半から比べると市場規模は2.5倍に拡大しています。また2011年は東日本大震災がありました。受講申し込み時期に震災が重なってし まったため、通信教育分野などが軒並み縮小した、という特殊な事情があります。そのため落ち込みもありましたが、事業者売上ベースで見てみると、学習塾・ 予備校の売り上げは2011年度が9240億円だったのに対し、2012年度も9230億円と、ほぼ横ばいを続けています(数字は矢野経済研究所、教育市 場における調査結果2012より)。

場規模自体は、ほぼ横ばいを続けている業界ですが、個別に見てみる非常に激しい動きがあることがわかります。特に顕著なのが、いくつもの学習塾が最高益を 出しているという点です。例えば個別指導を行っている明光義塾を運営する「明光ネットワークジャパン」では、2013年8月期の売上高が前期比10%増の 159億円、営業利益も8.6%増の38億円と連続最高益を達成しました。またこれは大手、いわゆる全国区の学習塾・予備校だけではなく、地域にある地元 密着の学習塾などでも、最高益を出しているところがある点には注目すべきでしょう。

以上出典 マイナビ2015「市場からみた教育業界の展望http://job.mynavi.jp/conts/2015/tok/p/714/)

要するに個別指導のシステムを取り入れたり幼児教育に目を付けたりした塾や予備校はうまいことやってる、っちゅう話ですね。

いや、個人指導や幼児教育自体は別に悪いことじゃないですよ。
というか、そもそもV-net自体が直接個人指導を謳った場所であることはいうまでもありません。「音読道場」その他で幼児教育に近いこともやっとりますし、こうした方面にはますます取り組んでいきたいなあとも思っとります。

ただ、個人指導のシステムについては、ちょっと一言。
これを最近、大手がたくさん取り入れるようになったことで、よくない状況も生まれてきております。

まず、このシステムは本来、大きくもうかるもんじゃないんですよ。
100人の生徒を教師一人が教えるのであれば、教師にけっこうな報酬を支払ってもビジネスとして十分成り立つでしょうが、一人の教師に一人の生徒、あるいは二、三人の生徒だとこうはいかない。
必然的に生徒側の支払う受講料は高くなります。もっとも一人の教師を独占する形で教えてもらっているのですから、受講料が高くなるのは、まあ仕方ないでしょう。
問題は、じゃあそんなふうに高くなった分、講師に渡っている報酬も高くなっているか、という点です。
これが多くの場合、報酬はむしろ低下しています。

これもまた、当然なんですね。講師に多めに支払っていたら、いくら受講料を高くしたところで、企業としては諸経費含むともうけがほとんど出ません。

手前みそな話ながら、V-netみたいな、私ども教師と生徒・保護者の皆さんとの間にだけ契約があって、そこに中間搾取がない形態なんてものは、他では絶対にみつからないでしょう。いや、ホントに、松永さんが心配になるくらい、ありえません。

他ではどうか。一例を上げますと、私の知人が、大阪の比較的料金は高めながらも評判は悪くない個人指導予備校に勤めておりました。そこでは一回の授業の受講料が2万円前後するにもかかわらず、知人に渡っている報酬は、なんとその3分の1以下。おどろくべき中間搾取率。
で、こうなると当然、講師の方のモチベーションは上がりません。
もちろんプロですから、手を抜くということはないでしょうが、意欲もまた持続しにくいでしょう。
それも、生徒個人との人間関係が結べれば別でしょうが、往々にして、こういう大手では、講師と生徒ないし保護者の間に事務方の「担任」がおりますので、密度の高い人間関係を生徒との間に築きにくくなっていたりします。

こうしたことから、結果として、高額な受講料な割に、授業自体はビミョーという進学塾・予備校が量産されているように思います。

もっとも、上記の例のように、そもそもの受講料がかなり高額の場合、教師にわたっている報酬も「まだマシ」な金額になりますので、授業のレベルも悪くない場合もあるでしょう。
ですが、これで受講料自体も低い場合、教えている教師の質はまた当然、低くなります。パートやアルバイトに毛の生えた程度とみるべきでしょう。

まあ、いずれにせよ、塾や予備校を選ぶ場合は、「大手だから」とか「建物が立派で教室がきれいだから」なんて理由では選ばないことですよね。「大手」で「建物が立派」なのはつまり、「お金もうけがうまい」という証拠なんですから。

 

なんだか、今回は内輪の暴露ネタみたいな記事に終始してしまいました、次回はもうちょい中身のあること書きたいです。

それでは、それでは。