いまんもレッスン日記⑧子ども読書道場

どうもどうも。
いやーなぜだか春休みは忙しかった。
春休みの特別レッスンの依頼がけっこうあって、そのせいでほとんど毎日朝からレッスン。
こちとら一週間中完全休日を2日は絶対もうけるナマケモノ。なのに、それが危ぶまれる毎日でした。
新年度の初めなんだから当たり前。ってわけでも例年はないんですけどね。こんなに忙しかったのは久しぶりです。さて、今年度はどんな一年になるやら。

そんななか。
開催の危ぶまれた「読書道場」も、なんとか子供たちが集まってくれて、いろいろ本を読めました。
前半に普段から教室に通っている悪ガキ三人衆。後半は種々の事情が重なってしまい、新小4男子一人。

まずは前半、悪ガキ三人衆と。
選んだ本は、芥川龍之介「蜘蛛の糸」、宮澤賢治「なめとこ山の熊」、トルーキン『農夫ジャイルズの冒険』。
今回、ちょっと欲を出しました。
単純に面白そうな本、というよりも、少し子どもが一人では読みなさそうな、文学的なやつをあえてチョイスしてみたわけです。
普段のレッスンでも、僕は一緒に本を読む時間なんかを設けたりするんですが、その際に太宰治なんかの文学的なやつが意外と評判が良かったもんで選んでみたんですね。

結果、どうだったか。
「なめとこ山の熊」は撃沈しましたね。えらい、評判悪い。
「話がくどい」
「退屈」「つまらん」「長い」
「登場人物がいちいちムカつく」
と、散々な評価でした。
これ、別の生徒に読んだときはそんなに悪評ではなかったので人によって違うと思いますが、元気いっぱい系男子には向かないかもしれません。。。。
反対に「蜘蛛の糸」はすっきり短く終わるせいか、意外と悪い印象ではなかったようです。
まあ、「これ、ホントにお釈迦様はカンダタ救うつもりあったんかいな?」という僕の質問には、全員「いやこれ救うつもりないよね上から目線でムカつく釈迦だよね」って評価でしたが。

『農夫ジャイルズの冒険』はトルーキン(『指輪物語』の作者ですね)が肩の力を抜いて書いた、ちょっと笑える感じの中編ファンタジーなんですが、こちらはまあ好評だったと思います。
途中ちょっと話の展開がダレる部分もあるんですが、後半のドラゴンを味方につけての国王との対決シーンなんかは、なかなか盛り上がりました。
ひょっとしたら将来ハリウッドなんかで映画化されたりして。

まあしかし、少なくともいろんな子が参加する「読書道場」では、まずはある程度「読んでオモロイ」ことを基準にしなきゃだめだなってことを改めて学ばせてもらいましたよ。
それがやっぱり、読書の楽しみの基本なんですね。間違いなく。

さて後半戦。
後半はやや幼さも残る奥手な少年Aくん。
こちらは初めてということで、去年の夏の読書道場でも取り上げたアシモフのロボットSF短編とウェルズの「タイムマシン」。
途中、小泉八雲の「耳なし芳一」を挟もうとも思いましたが、「話を知ってるし昔の話はヤダ」とのことで取りやめ。アシモフの短編を急遽追加しました。

このAくん。お母さんは、読書経験も浅いし「二時間もたないのでは?」とずいぶん心配していらっしゃったようなんですが、フタを開けてみれば何のことやあらん、二時間以上バッチリ集中して一緒に二冊、本を読み切ってくれました。
最後にしっかり作文も書いて何も問題なし。

ここから言えることは一つ。
きちんと環境さえ設定されれば、誰だって楽しく本に熱中することができる。
そりゃ、家では無理かもしれません。
何と言っても、他に娯楽が多すぎる。それに友達と遊びたいのはもちろんでしょう。
でも、他に何もできないしすることのない時間に、誰かと一緒に本を読み進める。かつて絵本を読み聞かされたように活字と音声が一体化する読書経験を味わう。
そうすると、不思議とみんな、少なくとも本を開いている間は、静かに集中して、活字を目で追ってくれるものなんです。
もし一人なら、きっと読み終わらなかったような一冊を、二時間強で読んでしまえるものなんです。
そして、そうした経験が積み重なれば。
おそらく、その頃にはきっと、自分一人でも読書を進めていけることでしょう。

一人でも多くの子どもたちが、こうしたレッスンを通してそうなってくれることを、僕はひそかに期待しているのです。

それでは、それでは。