再開! 読書のワークショップ

どうもどうも。
昨日の台風、皆さんは大丈夫だったでしょうか? 大したことないと思われていた東京でも凄まじい風の強さ、我が家の近くの公園の木々もなぎ倒されんばかりの勢いでした。もちろん西日本はそれどころではなかったようで、関西出身の僕としても非常に心配しましたよ。

と、そんな中、いよいよ夏も終わり、いや少なくとも夏休みは完全に終わり、教室に通う子どもたちもブーブー言いつつ普段の学校生活へと戻っていってる今日この頃。
僕が行う読書のWSも、先月はお盆休みのため上級コース、初級コースともに月一回づつし開講しませんでしたが、今月からはまたいつも通り、それぞれ月二回づつ隔週で行う予定です。
で、先週の土曜日はその第一回、上級コースのレッスンを行いました。

上級コースについては、ほぼ一ヶ月ぶり。
久しぶりということで、そんなに難しくなく、気軽に楽しめる小説をテキストとして選ぶこととしました。
で、選んだのがG・H・ウェルズの「奇跡をおこす男」(講談社青い鳥文庫版)。

詳しいネタバレはしませんが、簡単にいうと、今風に言う超能力みたいな感じの「奇跡」をおこす力を身につけた男が、その力を使ってるうちにとんでもないことが……といった感じのお話です。
ウェルズ特有の文明批判っぽいニュアンスも読み取れますが、基本的には肩のこらない、おもろいお話です。物語のオチも秀逸。

なので、当然、子どもたちにも上々の評価だろうとタカをくくっておりました。
ところが。。。

「どや、今日の話。おもろかったやろ」
「せやな。ま、おもろかった。いや、確かにおもろかった。ただ、おもろいにはおもろかったんやけど……」
「お、なんや、その奥歯にものの挟まったような言いよう」
「なんやろな。なんか、薄っぺらいな」
「へ」
「いや、だから、なんかこう、深みっちゅうんかな。読んで得した感っちゅうんかな。いまいちコクが足らんというか……」
「なにぬかしとんねん」
「せやかて、そない思たもんはしゃーないやん。なんや、ハリウッドの映画見てるみたいなもんで……」
「文学性が足らん、と」
「そう! それ文学性! なんや読んだあと、余韻みたいなもんが残らんのよねえ」

などとクソ生意気なことをおっしゃるではありませんか!(失礼)
「文学性」ときたもんだ。
いや実際、女の子で一人参加したNHちゃんにいたっては、はっきり「嫌い」と申しておりました。

いやー面白いですね。
こちらとしては、ちょっとばかり彼ら少年少女に「媚びた」つもりで選んだ物語だったのですが、見事に返り討ち。
いや、もちろん、全体としては楽しんでくれたようでしたし、なかには「面白かったし好きだった」と言ってくれた子もいたんですがね。

その後に書いてもらった作文もなかなか良かった。
自分が奇跡を起こせたら小学生メジャーリーガーになりたいと書いた子から、その奇跡でおばあちゃんとお母さんを仲直りさせるとちょっと泣かせることを書いた子まで。学校の宿題を無くして学校を週三回一日三時間にする、と書いた子も。

なかでも、「僕は奇跡を起こしたくはない。なぜなら何でも奇跡で解決してたら、喜びや悲しみ、怒りや悔しさといった感情が無くなってしまいそうだからだ」と書いていたのにはびっくりしました。
いや、お見それしました。
ほんとに鋭い感想です。
こうした子どもたちの作文は、そのうち「国語ラボ」のHP上にまたまとめてアップしようと思います。

と、こんなふうに表面上、取り上げた小説が好評であれ不評であれ、子どもたちが様々な「鋭い」反応を見せてくれるので、このレッスンは教えている僕が、ほんとに楽しく、そして嬉しくなってしまうレッスンです。
そこいらの大人と読書会を開くより、子どもたちは遠慮がない分、よっぽど面白いかもしれません。

さて、今週の土曜は初級コース。
こちらはトミー・ウンゲラーの『あたらしい ともだち』という絵本を読むつもり。これもなかなか考えさせられる絵本です。

さらに次回15日の上級コースは絵本作家で有名なシルヴァスタインの『人間になりかけたライオン』という本を取り上げます。
こちらは子どもから大人まで楽しめる、そして深く考えさせられる「寓話」です。上級コースとしてはちょっと異色のテキストとなりますが、子どもたちのみならず是非、保護者の皆さんにも読んでもらいたいと思うほど、素晴らしい物語です。

こんなふうに今後も様々な本、小説を取り上げて、彼・彼女たいと大いに話し、盛り上がりたいと思います!

それでは、それでは。